2016年08月17日

ナルドの香油 礼拝

論壇           ナルドの香油        8142016


 本日の説教テキストでは、ベタニアのマリアがナルドの香油をイエスの足に塗って自分の髪でぬぐったという有名な記事を解説します。この記事については、古代から多くの問題点が指摘されてきました。それは共観福音書に同じような記事があって、同じ事件なのか、別の事件なのか分からないということです。以下にこの記事を並列してみました。


★ イエスがベタニアでらい病の人シモンの家におられたとき、一人の女が、極めて高価な香油の入った石膏の壺を持って近寄り、…イエスの頭に香油を注ぎかけた。…弟子たちは憤慨して言った。(マタイ26613


★ イエスがベタニアのらい病人シモンの家で、食事の席に着いておられたとき、一人の女が、純粋で非常に高価なナルドの香油の入った石膏の壺を持って来て、それを壊し、香油をイエスの頭に注ぎかけた。…何人かが憤慨して言った。三百デナリオン以上に売って…(マルコ1439


★ イエスは(あるファリサイ派の人)の家に入って食事の席に着かれた。一人の罪深い女が、…香油の入った石膏の壺を、…泣きながらその足を涙でぬらし、自分の髪でぬぐい、イエスの足に接吻して香油を塗った。…イエスは女に「あなたの信仰があなたを救った」…と言われた(ルカ73650) 


★ イエスはベタニアで…マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。…ユダが「この香油を三百デナリオンで売って、」…(ヨハネ1218


 さてそれぞれの記事の特徴をさらに見ていきますと、

事件が起きた地域、時期:ガリラヤでの宣教中(ルカ)、エルサレムで過越祭の前(マタイ、マルコ、ヨハネ)


場所:ベタニアのシモンの家(マタイ、マルコ)、ベタニアの誰かの家(ヨハネ)、ファリサイ派の家(ルカ)。


女:匿名の女(マタイ、マルコ)、罪深い女(ルカ)、マリア(ヨハネ)。


注いだ場所:イエスの頭(マタイ、マルコ)、足(ルカ、ヨハネ)。


香油:ナルドという名前が登場するのはマルコ、ヨハネ。


憤慨したのは:弟子(マタイ)、何人か(マルコ)、ユダ(ヨハネ)。


イエスの弁明:「葬りの準備をしてくれた」(マタイ、マルコ、ヨハネ)。


「貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいる」という説教(ルカ以外)。


 このように、ルカの記事は他の3つとは全く違います。ガリラヤとベタニアで二つの事件があったのです。足に塗ったのか頭に塗ったのかという議論は、これを別のものと考える点ですでに見当はずれです。マリアが頭から、勢い余って足にも塗ったのです。頭と足で全身を表わしますから、この行為は、遺体の全身を香料で包む埋葬を意味することになったのです。

posted by 横浜中央教会 at 14:17| ◇論壇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする